「難病」は、医学的に明確に定義された病気の名称ではありません。いわゆる「不治の病」に対して社会通念として用いられてきた言葉です。そのため、難病であるか否かは、その時代の医療水準や社会事情によって変化します。
1972年(昭和47年)の「難病対策要綱」において、厚生省により難病は以下のように定義され対策を実施する事とされました。
- 原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病。
- 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために
家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
(別個に対策の体系が存するものについては、この対策から、除外する)
その後、対象疾患の拡大や事業内容の変更を経て、現在の国の難病対策は、主に以下の疾患を対象にしています。
- 難治性疾患克服研究事業・臨床調査研究分野に指定された130疾患
PADMでは「難病指定」と略称しています。
研究班を設置し、原因の究明、治療方法の確立に向けた研究を行います。
- 特定疾患治療研究事業に指定された56疾患((1)の130疾患から選ばれた疾患)
PADMでは「特定疾患」と略称しています。
医療費が公費負担されます。
- 難治性疾患克服研究事業・研究奨励分野に指定された214疾患(2009年度に新設)
これまで(1)では組織的・体系的な研究が行われてなかった疾患について、広く医療関係者等の協力を求め、患者やその疾患の病態に関する実態把握を目的とした研究が行われることになっています。
遠位型ミオパチーは、2009年度に新設された(3)研究奨励分野に入り、実態調査が始まりましたが、1〜3年の期限付きの事業です。治療法確立に必要な継続的研究の環境を整えるには従来の (1)難病指定に入る事が重要であり、さらに医療費が公費負担されるには(2)特定疾患に入る必要があります。
難病の数は5,000とも7,000とも言われ、医学も発展していく中、疾患を1つ1つ指定する現在の難病対策の方法は限界があるとして、抜本的な変更が国では検討されています。しかし、まずは現行の制度が存在する以上、難病指定と特定疾患への認定は、薬を一日も早く患者が使用できるようにするために重要であるとPADMは考えています。
現在の難病指定の基準は、以下の4点とされています。
- 症例数が少ない
- 原因不明
- 効果的な治療法が未確立
- 生活面への長期にわたる支障
遠位型ミオパチーは、この4つの要素を満たしています。